浅田美代子はフォーク系癒しアイドルかも


昭和から平成へと続く、昭和歌謡とアイドル文化。今回は浅田美代子をご紹介します。

「時間ですよ」の隣の美代ちゃんで大ブレーク

浅田美代子は1956年(昭和31年)生まれ、東京都出身。人気ドラマ「時間ですよ」の第3シリーズでお手伝いさん役としてデビュー。あっという間にお茶の間で大人気となりました。

上のDVD画像の左上、堺正章の隣にいるのが浅田美代子です。とても初々しかったですね。DVDの”みどころ”にはこう書いてあります。

町と山の手が同居しているような東京五反田にある風呂屋「松の湯」で繰り広げられる人間模様を描く「時間ですよ」の第3シリーズ。

そして釜のメシを食べる従業員堺正章、悠木千帆に、新人の浅田美代子が加わった。浅田は「第2の天地真理」というキャッチフレーズで全国2万5千人の応募 者から選ばれ、その後大ブレーク。ドラマの終盤に毎回、堺正章と屋根の上で星空を見上げながら歌う「赤い風船」が、この年の新人賞にノミネートされ大ヒッ トした。

悠木千帆というのは現在の樹木希林のことですね。そういえば浅田美代子は今も樹木希林とはとても仲が良いことで知られています。当時の浅田美代子が17才、樹木希林が30才と年はかなり離れていますが、それから40年以上も親交が続いているというのは素晴らしいことだと思います。

デビュー曲は「赤い風船」

【アイドルdata】
名前:浅田美代子
デビュー曲:赤い風船
作詞:安井かずみ
作曲:筒美京平
デビュー:1973年(昭和48年)4月

♪あの娘はどこの娘 こんな夕暮れ
しっかり握りしめた 赤い風船よ♪

今聴くと、本当にほっとできる癒しの歌声です。彼女の歌は全然飾らないというか、取り繕わないというか。肩の力が抜けています。人前で歌唱を披露するというより、口ずさんでいるのが偶然聴こえてきたという感じなんです。

朝日新聞の「sippo」という動物関連のサイトでの浅田美代子インタビュー記事にこういう文章があります。

作詞は安井かずみさん、作曲は筒美京平さん。久世さんは、「現代の童謡を作ろう」と注文を付けたという。

「時間ですよ」プロデューサーの久世光彦が浅田美代子の魅力をちゃんと分かっていて、この「現代の童謡」コンセプトが生まれたのでしょうね。そしてその狙いはズバリ的中。日本中が彼女の虜になります。浅田美代子自身は歌に自信を持っていないようですが、いやいやどうして。こういうふうに気負わずにさらりと歌えるのって実はものすごい才能ですよ。

「ひとりっ子甘えっ子」も自然なんだよなあ

タイトル:ひとりっ子甘えっ子
作詞:小谷夏
作曲:筒美京平
デビュー:1973年(昭和48年)7月

ひとりっ子甘えっ子」は浅田美代子の2枚目のシングル。「赤い風船」のわずか3カ月後の発売です。作詞の小谷夏というのは久世光彦のペンネームです。

♪ひとりが好きなのひとりっ子 ほんとはうそなの甘えっ子
いじわるねあの人 わかってくれない♪

いくらまだ17才とは言えあまりに幼い印象で、時折ひざをカクっとさせながら歌うその姿はまさしく”ブリッこ”そのもの。

でもとても不思議なのは浅田美代子が歌うとそういうわざとらしさが感じられないことです。本当にこういう子がいてこんなふうなことを思っているんだろうなと信じてしまえる。だから日本中が美代ちゃんにハマっちゃったんだろうなあと思います。

「恋は真珠いろ」ハーウー♪

タイトル:恋は真珠いろ
作詞:安井かずみ
作曲:都倉俊一
デビュー:1973年(昭和48年)12月

恋は真珠いろ」はシングル4枚目。ここで再び歌詞が安井かずみに戻っています。

♪早く 早くあの人が くればいい 友達つれて わたしの家へ♪

この曲もさわやかで超絶かわいいです♪少女のようなんですよねえ。いまどきのプロアイドルさんたちが歌うとこの初々しさは出せないでしょう。

実力派の代表格とも言える森昌子がなぜかこの曲をカバーしています。それはそれで悪くないし、森昌子もかわいい。でもやっぱりこの曲に関しては浅田美代子の魅力の方が勝っちゃうのかなあ。

フォークシンガーの才能もあふれる「じゃあまたね」

jaamatane

タイトル:じゃあまたね
作詞:安井かずみ
作曲:吉田拓郎
デビュー:1974年(昭和49年)8月

♪じゃあまたね あの人は 手をふる夕暮れの人ごみに
もう姿が見えない♪

シングル7枚目のこの曲は吉田拓郎作曲ですから、曲調が自然とフォークっぽくなっています。♪もう姿が見えない♪のあたりなんか特に。
でもそもそも「赤い風船」もフォーク調なんですよね。浅田美代子って実はフォーク系癒しアイドルだったのかもしれません。
吉田拓郎と後に結婚することになったのも(その後離婚してしまいますが)、彼女とフォークを結び付けている点でとても興味深いです。

現在は女優として、動物愛護活動家として活躍中

浅田美代子は現在、テアトル・ド・ポッシュという芸能プロダクションに所属。吉行和子、三浦友和、佐藤浩市、賀来千香子、夏川結衣といった実力派俳優が数多く所属しているところです。今はもうすっかり女優さんとしての活動がメインになりましたね。

最近では2014年(平成26年)放送のNHKの朝ドラ「花子とアン」に出演しています。寄宿舎の寮母、茂木先生役です。主人公花子をささえる重要な役どころでしたね。

動物愛護活動にも力を入れている浅田美代子はその関係のイベントで40年ぶりに「赤い風船」を披露したそうです。

現在は人前で歌うことにはかなり抵抗があるようですが…そうおっしゃらず、またテレビでもその素敵な歌声を聴かせてください!


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