昭和の一発屋様、リスペクト!~「フランシーヌの場合」(S44)を書いていて思い出しました。そういえばNHKで放送された木曜時代劇「ちかえもん」に、昭和歌謡やフォークがたくさん出てきていたんです!!
かなりぶっとんだ時代劇だった「ちかえもん」
「ちかえもん」は近松門左衛門をテーマにした時代劇。2016年1月14日から8回にわたって放送され人気を呼びました。脚本の藤本有紀はNHKの朝ドラ「ちりとてちん」などでも有名ですが、今回この「ちかえもん」で向田邦子賞を受賞したそうです。いやあ、そのくらい出色のできばえだったということですね。
さて、その「ちかえもん」ですがどんな内容かというと…
人気劇団率いる劇作家・鬼才松尾スズキ演じる冴えない中年スランプ作家・近松門左衛門が神出鬼没の渡世人・万吉×青木崇高と元禄大坂を駆け抜ける新感覚!痛快娯楽時代劇
以下、ちょっとだけ【ネタばれ注意】です!
近松門左衛門になぜか昭和歌謡がしっくりきた!
「ちかえもん」は時代劇的なルールに囚われない、とても個性的なつくりになっていました。ところどころ現代劇風に展開したり、「あほな分だけハートはピュアや」のようにセリフにわざとカタカナ言葉をちりばめたり。特に毎回、昭和歌謡が替え歌で登場したのには驚かされました。
以下、簡単にご紹介しますね。
第1回 近松優柔不断極(ちかまつゆうじゅうふだんのきわみ)
「大阪で生まれた女」BORO (1979年(昭和54年)発売)
第2回 厄介者初、井守黒焼(やっかいものおはつといもりのくろやき)
「悲しくてやりきれない」ザ・フォーク・クルセダーズ (1968年(昭和43年)発売)
第3回 放蕩息子徳兵衛(あほぼんとくべえ)
「学生街の喫茶店」ガロ (1972年(昭和47年)発売)
第4回 善悪不明九平次(ぜんかあくかくへいじ)
「傘がない」井上陽水 (1972年(昭和47年)発売)
第5回 標的、忠右衛門(ターゲットはちゅうえもん)
「フランシーヌの場合」新谷のり子 (1969年(昭和44年)発売)
替え歌は「フランシーヌ」を「赤穂浪士」に置き換えて、♪赤穂浪士の場合は あまりにもおばかさん♪となってましたよ。
第6回 義太夫些少活躍(ぎだゆうわりとかつやく)
「知りたくないの」菅原洋一 (菅原版:1965年(昭和40年)発売)
第7回 賢母喜里潔決断(ははうえきっぱりけつだん)
「よこはま・たそがれ」五木ひろし (1971年(昭和46年)発売)
第8回 曽根崎心中万吉心中(そねざきしんじゅうとまんきちのおもい)
「我が良き友よ」かまやつひろし (1975年(昭和50年)発売)
こうして並べてみると、毎回のタイトルの付け方も面白いですね。
使われた音楽は昭和40~50年代の曲ばかりです。脚本の藤本有紀が昭和40年代生まれでリアルに曲を体験しているからこそ、時代劇に昭和歌謡の替え歌という荒唐無稽な試みをうまく成功させることができたのかもしれません。
ところで。
【祝】優香と青木崇高、結婚発表♡
余談ですが、「ちかえもん」に出演した優香と青木崇高が結婚発表、というおめでたいニュースが飛び込んできましたね!ドラマの中では優香は年増遊女・お袖を演じ、近松役の松尾スズキといい仲。他方、不孝糖売り・万吉役の青木崇高は遊女・お初役の早見あかりに恋するという筋でした。でも実際は優香と青木崇高がカップルだったんですねえ。
あほぼん・徳兵衛役の小池徹平も「ちかえもん」の話にぴたりとハマって光る演技を見せていましたが、リアルでは早見あかりとカップルだったりするのでしょうか。いや、それはないか。
いろんな意味で注目点だらけの「ちかえもん」。また観たいなあ!