「黒い花びら」水原弘の破天荒な人生とは


日本レコード大賞は1959年(昭和34年)に創設されました。晴れの第1回大賞受賞曲は水原弘の「黒い花びら」です。

黒い花びら

【楽曲data】
タイトル:黒い花びら
歌手:水原弘
作詞:永六輔
作曲:中村八大
発売:1959年(昭和34年)7月

7月に発売になった曲がその年のレコード大賞を獲ったわけですから、爆発的な勢いで火がついて売れたことは想像に難くないですね。デュエット曲として有名なフランク永井松尾和子の「東京ナイトクラブ」も同年発売で大ヒットしたようですから、「黒い花びら」はさらにそれを上回る大々々ヒットということだったんでしょう。

村松友視が伝記小説「黒い花びら」の中で水原弘の詳細を書いていますが、勝新太郎と並ぶかなり破天荒な人生を送ったようですね。だからこういう歌い方なのか、こういう歌い方だからこういう人生なのか、彼の歌には「色」「艶」「華」「凄み」「闇」があるように感じます。

youtubeに水原の死の前年、彼が41歳のときの「黒い花びら」を歌うテレビ映像が挙がっていました。大ヒットした頃もそうですが、晩年の彼の「黒い花びら」もそれはカッコよかったです。

ちなみに、「黒い花びら」は名曲ゆえ多くの歌手がカバーしています。アレンジも歌い方もいろいろ。その中であっと思ったのは、氷川きよしが歌う「黒い花びら」。氷川の場合はしっかり自分の歌になっていてもう見事な「演歌」なんです。でも、水原のはあくまでも「歌謡曲」、ちょっとジャジーな雰囲気の。聴き比べると興味深いです。氷川版もすごく素敵でうっとりしてしまいますが、水原がレコード大賞をとったのは、彼独特の昭和歌謡的歌唱にあったのかもしれません。


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