一発屋様にリスペクトを込めて♡ 今回はさくらと一郎の「昭和枯れすすき」をご紹介します。
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「昭和枯れすすき」はドラマ「時間ですよ昭和元年」をきっかけに、有線で火が付いた
【楽曲data】
タイトル:昭和枯れすすき
歌手:さくらと一郎
作詞:山田孝雄
作曲:むつひろし
発売:1974年(昭和49年)7月
発売した当初はレコードの売れ行きが伸び悩んでいたが、同年10月16日から放送開始された『時間ですよ昭和元年』(TBS系列)の挿入歌として、細川俊之演じる十郎と大楠道代演じる菊との居酒屋の場面に効果的に使われたことにより、有線放送を中心に人気に火が付き
Wikipedia「昭和枯れすすき」(2016年4月22日 (金) 15:27 UTCの版)
なぜこの曲がドラマに取り上げられることになったかは、番組プロデューサー久世光彦が昭和の名曲を綴ったエッセイ集「ダニー・ボーイ」で詳しく触れています。あの橋本治が唐突に出てくるのも面白いというか、不思議な縁を感じましたね。
さくらは2人いた!
ところで、さくらと一郎はコンビ名を変えないまま、さくらは初代から2代目へ変わっています。初代は河野さくら。2代目は山岡さくらです。
私は、この曲のインパクトの強さは初代さくら(河野さくら)の歌い出し(♪いいえ、世間に負けた♪の♪いいえ♪の甲高い声)もひとつの要素だと考えています。「月がとっても青いから」の菅原都々子を彷彿とさせるような。ですので、今のさくらと一郎の「昭和枯れすすき」だとちょっと物足りない感じです。いえ、2代目さくら(山岡さくら)もとても歌の上手い方です。ただ、”アク”は河野さくらの方が強かったのかな、と。
地味に”渋・ウマ”な一郎の魅力
レディーファーストでさくらから話を始めましたが、一郎(徳川一郎)の歌もじっくり聴くとそれは味わいがあります。♪貧しさに負けた♪の部分。このたった8文字でもう聴き手は「昭和枯れすすき」の物語世界へすっと誘い込まれてしまうんですね。久しぶりに聞き返してみたら一郎の上手さにすっかりやられてしまいました。
そしてこの2人がサビでハモるわけですが、甲高い声のさくらと目立たずに太くしっかり支える一郎の声のコントラストが素晴らしいです。
いろんな意味で衝撃的だった「昭和枯れすすき」
振り返ってみると、やっぱり売れるだけの魅力が詰まった歌であり、歌手であったのだと思います。阿久悠も「愛すべき名歌たち」の中でこの歌が「衝撃的だった」と書いています。衝撃的とはまさにその通り、ぴったりの言葉です。本当にさくらと一郎の「昭和枯れすすき」はいろんな意味で衝撃的だったんですよね、当時の私達にとって。