昭和から平成へと続く、日本のアイドル文化。今回はミミ(現・ミミ萩原)をご紹介します。
華奢で可愛いアイドル時代
【アイドルdata】
名前:ミミ(現在はミミ萩原)
デビュー曲:おしゃれな土曜日
作詞:安井かずみ
作曲:葵まさひこ
デビュー:1973年(昭和48年)
ミミ萩原は1956年(昭和31年)生まれ、東京都出身。芸名「ミミ」として「おしゃれな土曜日」でデビューしました。
♪まだふたりは よく知らないの♪
♪まぶしい土曜日 ララあの人と♪
当時はテレビで歌う彼女を見て、いかにもアイドル然とした可愛らしい人だなあ、という印象でした。アメリカンスクールに通っていたそうで、ちょっと日本語がたどたどしいような、少し舌ったらずな調子で歌っていましたね。
ファーストアルバムのタイトルは「かわいいシャトン」。シャトン(chaton)というのはフランス語で子猫という意味ですが、まさに当時のミミにぴったりのイメージでした。このアルバムの中で「ジョニー・エンジェル」「悲しき16才」「シェリーに口づけ」「夢みるシャンソン人形」「君の友だち」といった名ポップスを、ときには英語でカバーしていますよ。
なんと、その後プロレスラーに転身
ミミとして数枚のレコードを出した後、彼女は1978年(昭和53年)に全日本女子プロレスに入団。ミミ萩原の名前でプロレスデビューします。アイドルからなんとプロレスラーへの突然の転身が世間の度肝を抜き、ずいぶんと話題になったものです。
そしてその後もすごい。デビュー戦以来、連敗を重ね、87連敗という輝かしい(!)連敗記録を打ちたてました。それだけ負け続けるのもひとつの才能なのでしょうか。でもそれだけでおわらず、猛トレーニングや体重アップなどに努め、結局最後にはトップ(オールパシフィック王座/WWWA世界タッグチャンピオン)までのぼりつめるのだから、やはりこの人はただものではないですね。
ちなみにジャガー横田とは同期ということで今でもお付き合いがあるらしく、ジャガー横田のブログにもミミ萩原はちょこちょこ登場していますよ。
アメリカ映画にもちょこっと出演
そんな中、なぜかアメリカ映画に特別出演しています。「カリフォルニア・ドールズ」というプロレスを題材にしたロード・ムービーです。
監督は名匠ロバート・アルドリッチ。主演は刑事コロンボで有名なピーター・フォークです。あらすじをamazonから引用します。
“カリフォルニア・ドールズ”は若い美女ふたりのゴージャスな女子プロレスのタッグチーム。
あてなき巡業の旅を続けるふたりを導く老マネージャーと共に、時には泥レスリングの試合をやらされ泣きぬれることもありながら、
チャンピオンになる夢を諦めず、徐々に人気も実力もつけていった。そしてふたりは無念と屈辱を晴らすべく、
リノでのチャンピオンシップで凄絶な試合を展開する。
ヒロイン2人と対戦する日本人プロレスラーとしてミミ萩原とジャンボ堀が出演している。
ミミ萩原は英語が堪能ということですが、そういうことも関係しての出演なのでしょうか。映画出演にとどまらず、ミミ萩原はこの頃、写真集やエッセイも出しています。
現在は神のお告げ(!)を受け、広島でヒーラー、アーティストとして活動中
現在、ミミ萩原はマリア様のお告げ(!)で、広島で暮らしています。そこでダンス教室やミュージカルなどの活動をやっているとか。動物愛護にも注力しているそうですよ。
振り返るとまさに波乱万丈のミミ萩原の人生ですが、それを全部受け止めて、自分で人生を切り拓いてきたというのがすごいですね。今後もまだまだ活躍してくれそうでおおいに期待しています。